ビジネスを始めた頃は、資本金があまりありませんでしたから、何かとコストを抑えなければなりませんでした。
その中の一つが、賃貸オフィスです。
自宅でやるにしても、自宅では手狭過ぎる上に、あまり外部の人の出入りされるのは気持ちがいい物ではありませんから、
仕事は仕事として割り切って使用したいと考えていました。
とは言っても、都心の一等地や駅近く、立地条件が良ければ良い程その値段が高くなっていきます。
また、綺麗なオフィスであればある程、高いので、築年数が経っている物を選ばなければなりませんでした。
ある程度売り上げが伸びて来たら、また考えようと思ったので、最初の頃はほとんど値段だけで探していました。
本当に酷い場所になってくると、入った瞬間あまり綺麗とは言えないようなオフィスである場合も多く、
せめて少しはリフォームメンテナンスをしておいてくれれば良いのでしょうが、
そのリフォームメンテナンスをしていないからこそ、激安で貸し出ししているとのだということを言われて、納得した事もありました。
結局、当時の自分が借りることが出来たのは、築30年の3階建て、
最寄り駅から徒歩15分といった立地条件になりましたが、広さはかなり狭い場所にしました。
その時にはスタッフも自分を含めて3名だったということもあり、無理して広いオフィスを借りてもスペースが勿体ない上に、
広ければその分の賃貸料金も高くなってしまうからです。
しかし、当時としては机を3代置けて、来客した方とお話が出来るような椅子とテーブルが置ければよかったので、
それ程広くなくてもまったく困るようなことはありませんでした。
寧ろ、掃除も楽だし、書類も手渡し出来るし、あまり移動しないで済む分便利だったのです。
しかし、激安だったのには、それなりの理由がほかにもありました。
実は異臭が凄いのです。
近くにごみ処理場があったこともあり、夏場などは窓を開けるとかなり匂いがしました。
出勤退社の時にもかなり匂いが気になることもありました。
そうった遺留もあって激安だったのです。
その為、エアコンの仕様によって空調管理をせざる負えなかったのですが、
いかんせん窓を開けるといったことが出来なかったので、常にフル回転でした。
また電気代もかなり掛かっていたと記憶しています。
そして、何より困るのが部屋の中の空気がこもることです。
ビル全体の空調システムがそこまでしっかりとされている物ではなかったということもあり、
部屋の中はどんよりとした雰囲気がありました。
最初いたスタッフも「雰囲気が悪い」と愚痴をこぼすことも多々ありました。
また、訪問して下さるお客様にも、匂いの件に関しては不愉快な思いをさせてしまうこともあったでしょう。
賃貸オフィスが激安になる理由には、そこで何か事件が起こった過去があったり、築年数が非常に古い場合や、やたらと狭い、
或いは駅から相当離れているといったことが多いですが、周りの環境、匂いなどにも影響を受けるようです。
安ければ安い程やはりそれなりの理由はありますが、妥協出来るのであれば、
やはり賃貸料を抑えることが出来るので、当時の自分としては、かなり妥協して借りていました。
そこから早く脱却したいという願いもあって、3年程借りていましたが、売り上げも上がり、
その後は最初に借りていたオフィスよりも広くて綺麗で新しく、
そして匂いもない良い立地条件のオフィスに引っ越しましたが、その分値段も倍以上掛かるようになってしまいました。
その分売り上げが上がったので、支払いは出来ていますが、賃貸料金を抑えたいと考えるのであれば、
取り合えず、何かしらの妥協が必要にはなってくるのだと思います。